同じ条件でも、AIモデルによって出力の質はまるで違います。3日間の検証から見えた、両モデルの得意分野と使い分けの指針をお伝えします。
AI動画の制作現場では、どの基盤モデルを使うかが成果物の品質を大きく左右します。私は先日、GPT-6 AstraとFable5.1を丸3日にわたり実務で使い倒し、プロンプト開発と脚本・世界観づくりという二つの作業を並行して検証しました。その結果、両者の得意分野が非常に分かりやすい形で分かれることが確認できました。一言でまとめるなら、既存の表現を分解して再現するならGPT-6 Astra、コンセプトから作品を創作するならFable5.1が向いている、というのが現時点での結論です。
私は半年ほど、AI動画で高品質な出力を得るためのプロンプトシステムを組み続けてきました。その知見をもとにGPT-6 Astraと壁打ちを重ねても、狙った演出になかなか到達できない場面がありました。そこで発想を変え、参考となるモンタージュ的な演出の動画を提示し、その要素をシンプルに分解して再現するよう指示したところ、一度で狙い通りの結果が出たのです。偶然でないことを確かめるため別の演出でも複数回試しましたが、結果は同様でした。人間のクリエイターが他作品から要素を学んで自らの表現に昇華するのと同じプロセスを、GPT-6 Astraは極めて高い精度で実行できると実感しています。
一方、コンテスト向けの脚本と世界観づくりでは、まったく逆の結果になりました。GPT-6 Astraで骨組みを回しても面白いものが出てこなかったのに対し、条件を何も変えずにFable5.1へ持ち込んだところ、一度で手応えのあるアウトプットが返ってきたのです。そのままFable5.1との壁打ちで脚本と世界観を完成させることができました。興味深いのは、両モデルにシステムの評価をさせた際、Fable5.1自身が推論力や思考力ではGPT-6 Astraが上だと認めたことです。論理的な整理や考察の能力と、面白い物語を生み出す能力は、別の軸で評価すべきだと考えています。
現時点での私の運用は、システム整理や考察、既存表現の再現にはGPT-6 Astraをメインで使い、脚本や面白い文章の生成にはFable5.1を使う、というものです。AI動画は突き詰めればプロンプト、つまり文章から生まれます。だからこそ、面白いテキストを出す力に長けたモデルが良い動画づくりにも直結すると考えています。こうしたモデル特性の見極めは、CM・PR動画の制作においても企画の質を左右する重要な工程です。目的に応じたツール選定の考え方は、法人向け研修でも詳しくお伝えしています。